才能という言葉は、よく誤解されている。
「最初からできる人が持っている特別な能力」というイメージで語られることが多い。
しかし実際の才能は、それとは少し違う。
才能とは、“続いてしまうもの”だと思う。
うまくできるかどうかよりも、気づけばまたやっているもの。
やらないと少し落ち着かないもの。
理由がはっきりしないのに、自然と手が伸びてしまうもの。
そこに、最初から完成度は必要ない。
最初はただの違和感でもいい。
「なぜか気になる」
「得にならないのに見てしまう」
そうした小さな反応の繰り返しの中で、形ができていく。
才能は完成された状態で存在するのではなく、
“戻ってきてしまう回数”によって育っていくものだ。
逆に言えば、どれだけ一時的に優れていても、続かないものは才能として根付かないことがある。
生活の中に戻ってこないものは、やがて薄れていく。
だから才能は派手さとは関係がない。
むしろ日常の中に溶け込んでいる。
誰かに評価されることで続くものでもなければ、
評価がなければ消えてしまうものでもない。
静かに、勝手に、繰り返されるもの。
才能とは「意志」ではなく「反復の傾向」に近い。
そして興味深いのは、
その反復が十分に積み重なったあとで初めて、「これは才能だったのかもしれない」と気づくことだ。
最初から分かるものではなく、あとから分かるもの。
だからもし今、
理由はよく分からないけれど繰り返していることがあるなら、
それは才能の入り口に立っている可能性がある。

コメント