苦しい時、人は「ないもの」を見てしまう。
お金がない。
才能がない。
時間がない。
理解してくれる人がいない。
気づけば、足りないものばかり数えてしまう。
もちろん、生きていると現実は厳しい。
他人と比べてしまう夜もある。
頑張っても前に進んでいないように感じる日もある。
でも、そんな時ほど、
人は「既にあるもの」が見えなくなる。
今日食べたご飯。
眠れる場所。
積み上げてきた時間。
読める本。
書ける言葉。
今まで出会った人。
本当は、失って初めて気づくようなものが、
今この瞬間にも、たくさん存在している。
幸せとは、
特別な何かを手に入れることだけではないのかもしれない。
あるものを感じ取れること。
それを大切にできること。
それ自体が、幸せなのだと思う。
逆に、不幸せとは、
「ないもの」に意識が固定され続ける状態なのかもしれない。
もっと。
まだ足りない。
自分には何もない。
そうやって欠けているものだけを見続けると、
今ここにある大切なものまで、見えなくなってしまう。
だからこそ、苦しい時ほど、
一度立ち止まって、自分の周りを見てみたい。
一杯のお茶でもいい。
今日書けた文章でもいい。
続けてきた日々でもいい。
人は、何もないわけじゃない。
「あるもの」を感じられる時、
少しだけ、心は戻ってこれるのだと思う。

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